keep on tryin'

好きなことあれこれ。

言葉にならない(修正済)

昨夜、ふと、2020年に受講した、

夏スクのことを思い出していました。

2科目のうち1科目は、現在卒論の指導をして

いただいている先生の講義でしたが、

もう1科目のことは、久しぶりに

ふと思い出したのです。

 

「ラテン文学」。

全く予備知識がなかったのですが、

子供のころ、

家にあった「ギリシア神話」を

よく読んでいたことを思い出し、

シラバスを読むと、かかわりが深い、とのことで

受講したのでした。

 

古代史が苦手で、

大丈夫かな…と不安でしたが、

初学者でも楽しめる、美術作品や風景の画像、

音楽などを盛り込んだ、豊富な資料を基にした

とてもわかりやすい講義でした。

大学の講義でなければ知ることのできなかった領域を

楽しく学ぶことができて、素晴らしい経験になりました。

何より感動したのは、大量のリアクションペーパーの

質問に対して、研究室で調べ直すなどして、

25ページにわたって回答され、配布してくださったことです。

しかも、それでも途中で断念したと。

私はとても初歩的な質問をしたのですが、

丁寧に答えてくださり、ご自身の体験も披露してくださいました。

全体に向けてのレポートの講評には、

初めてのスクーリングを通して自分も勉強になった、

ありがとうございました、と書かれていました。

 

自分の専攻とは違うのですが、

先生のなさること、おっしゃることに学ぶものが

とても大きく、一週間だけの教え子ではありましたが、

強い尊敬の念を抱きました。

以降、卒論に追われ、

ラテン文学に触れる余裕はなかったけれど、

先生から学んだ姿勢は、卒論に取り組むときに

いつも根底にあることは間違いありません。

とても感謝しています。

 

その中谷彩一郎先生が、昨年、

ベルギーに訪問研究員として滞在中、

急逝されていたことを昨夜知りました。

とてもショックです。

私など、夏スクで一瞬お世話になっただけで、

ご縁を感じるのもおこがましいくらいですが、

それでも、先生の熱心なお話しぶりや、優しい雰囲気を

思い出すと悲しさでいっぱいです。

ラテン文学の面白さを学生に伝えたい、という熱意が

伝わってきて、こちらまでワクワクするような

貴重な時間でした。勉強って楽しいな、

研究者ってかっこいいな、すごいな、

と再確認する時間でもありました。

今でも当時の気持ちはよく覚えています。

 

 

 

 

 

 

今の気持ちは言葉にならないのですが…

先生が、オウィディウスと楽しくお話されている

ことを祈って、

卒論頑張ります。